こんにちは。私の名前はJ. J. Jailbirdです。”Jailbird”は、直訳すれば「かごの鳥」という意味ですが、英語のスラングとしては、「囚人」「常習者」などの意味があります。ちなみに頭文字のJ. J.は,J. J. Johnsonというジャズ・ミュージシャンが好きだったことからきています.
私は「繰り返す者」=「常習者」としてリピートする模様を描き続けていますし、この繰り返す模様はまるで昔のアメリカの囚人の服のような白黒のストライプです。無限に繰り返す模様の牢獄から永遠に出られない、という意味では「囚人」ともいえるでしょう。
ここでは、私がいかにしてJailbirdを名乗るようになったのかそのいきさつをお話ししてみましょう。
きっかけは、これでした。8分音符「♪」のチョロッと出た、ヒゲのような部分。ここがかわいいな。
このヒゲの部分を切り取って、
このあたりから、私は繰り返し模様の罠にはまっていたのかもしれません。気がつくと、こんなものや、
こんなものを作りだすようになっていました。
繰り返さずにいられない! このリピートから逃れられない!
でも,世の中には壁紙,タイル,洋服の柄など,繰り返しの模様がたくさんあふれています.連続模様や平面充填などの先人たちの作例を見ては圧倒され,その理論的背景を学びつつも,「自分は何でもいいから,ただ繰り返し模様が作りたいのではなく,ある種の特徴をもった模様が作りたいのだ」,と気付くまでに,そう時間はかかりませんでした.広大な模様の海を,たった一人で渡るには何か指針が必要です.そしてそれは小さな指針でなくてはなりません.魅力的な模様はたくさんありますが,うろうろと羅針盤もなくそれらに気を取られていては,永遠にどこにもたどり着くことはできないでしょう.
そして,私が自分自身に課した,模様を作るうえでのルールは1つ.
- この1種類のモチーフ(プリミティブ)を繰り返し,それをできるだけ途切れないようにつなぎ,キャンバス全体を埋め尽くす(平面を充塡する)こと.
これだけです.
制限が厳しすぎるのでは? と思いきや,このモチーフ自体も少し変形するだけで,さまざまな表情をもつこともわかってきました.
それぞれを模様にすると,個性が際立って見えます.また,視覚効果としても面白いものがあり,大きな面積で見ると立体感が出たり,色のないところに色が見えてきたりもします.
私はこのようにして,連続模様の魅力に取り付かれ,そして自分自身に制限をかけることで鍵をかけ,その中に閉じ籠もりました.現在も私は私自身が作った牢獄の中にいます.おそらく,ここから抜け出ることはかないそうにありません.常習者であり,囚人です.私の名はJailbird.